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Gセンサー交換で本来の調子を取り戻したマイR。
実走行でも問題無いのを確認し、kansaiさんとこのアテコンを取り付けました。
とりあえずダイヤル全開♪
カプラーONなので接触不良の心配は無くなりました。
ということでosamyさんSPLのETSリニアはしばしの休息^^
富士でトドメを刺したローター
メーカー様の点検を終え、詳細な報告書と共に戻ってきた。
【ローターに関する御報告書】
・車両: R32 スカイラインGT-R
・主な用途: 富士スピードウェイ サーキット走行
・アイテム: PFC 3D レーシング ローター 362mm
・ブレーキ仕様: AP Racing CP5555 + PFC 93 材
φ50 のブレーキダクトをフロントのみ引いている
<概要>
・11 月23 日 富士スピードウェイをトータル10ラップ走行
・ピットでローターが斑模様になっている状況を確認。
・走行後確認のためローターを取り外したところ、右側裏面の内側1箇所に長さ12mmのクラックを確認
・キャリパー温度は左右とも180℃前後(サーモシールによる)。
・ブレーキダクト全開
・(ブログより)今回の走行に合わせ、エンドレスパッドからPFC #93 に変更。ローター表面の被膜をフラップホイールを用いて除去した
・気温16℃(当日は弊社スタッフが別件で富士におりました)
<検査所見>
左右のローター表面はワイヤーブラシのような引っかきキズが入っており、今回の走行後に被膜の除去を行った状態と思われるが、キズの入っていない箇所には概要に明記した斑模様の残りが確認できる。
ローター表面中心部に細かいヒートクラックありローター表面が斑点模様になっていることが確認できる。
PFCパッドは当り付けを行ってローター表面にカーボン皮膜を形成させることで、本来のパッド性能を発揮しますが、ブログのピットでの画像でもローター表面は斑点模様となっており、走行中はカーボン皮膜の形成が不十分な状態であったことが確認できます。
カーボン被膜が十分形成されなかったのには3 つの原因が考えられます。
・新品パッドの場合には焼き入れの不足(温度不足)。使用済みの焼きの入ったパッドの場合、当たり付けではパッド表面が硬化しているのでローターがパッドをはじき返してカーボン皮膜が形成しにくい。
・当日の気温が16℃程度であり、ブレーキダクトの冷却もあってローター温度が被膜を形成できる適正温度まで達していなかった。
・エンドレスから変更の際にフラップホイールで表面を研磨したことで、表面の平面度が失われて部分的な温度差が発生した。
FSW は1.5km のストレートが災いしてブレーキの過冷却が発生しやすいサーキットです。春道様の車両はフロントにφ50 ダクトを装着し、ストレートスピードは295km/h まで到達されるとのことなので過冷却を防止するための温度管理が必要な車両と言えます。
従って、今回のクラックはカーボン被膜が十分形成できない温度まで冷却されたローターが1 コーナーのブレーキングによって一気に温度上昇したことによる急激な温度差と、カーボン被膜の形成が不十分であったことによる部分的な温度差によって発生したと判断します。
<対策>
・ブレーキダクト
ローターの状態を確認し、必要に応じてダクトの開口部をふさぐことでローターへの強制冷却を抑制してローター表面温度管理をおこなって下さい。ローター表面に斑点模様が発生している場合は過冷却状態です。R32GT-R はブレーキ周りへの導風が設計状態から考慮された車両ですので、気温が低いときにはダクトを全閉にすることも必要です。
キャリパーはサーモシールが200℃未満であれば問題ありませんのでバランスをとりながらの対応を行ってください。
・被膜除去
被膜除去を実施する際には板等に張り付けて平面を確保した紙やすり等での研磨を行ってください。
ロータリー研磨では削りすぎが発生し表面に微小な凹凸をつくることとなり平面度が失われやすく、部分的な当たりの違いや温度差が発生することにより、カーボン被膜生成不良やクラックの原因となります。
・ブレーキパッドの特性
PFCブレーキパッドの特徴をふまえて、季節による温度管理の実施を行ってください。93 材は、摩擦が発生する温度域に達すると急激なバイトを発生させることが特徴ですので、バイトが発生するとローター温度も急激に上昇します。その為に適正温度を外した使用ではローターへの温度差による負荷が高いと言えます。相手側のローターもブレーキパッドの特徴にあわせた管理の必要があります。
プロのレーシングチームは、ブレーキパッドの特徴をふまえブレーキ周りの管理を行っています。
PFCは他社のようにアフターマーケット用のコンパウンドを別に用意していませんので、十分な管理が必要です。
また、サーキットによってパッドメーカーを変更し、その都度ローターに負荷をかける被膜の除去と形成を行うことはローターのライフを縮めます。本来のライフで使用するにはローターとパッドをセットで入れ替えることが必要です。
点検の結果は以上です。
なお、ご購入頂いた際に後日シムをお送りしまして、内側に3mm のクールバンドを確保して頂いた件につきましては、車体側のハブ周りの剛性不足からローターの車体外側面の中心寄りに極端な負荷がかかってフランジにクラックが入ったケースが1 件あったことが理由です。春道様のケースとはローターサイズ、車両、発生箇所が異なり、関連はございません。
お預かりしましたローターは、クラックが大きく交換が必要です。
このまま使用した場合にはクラックの進行によってローターが粉砕することも考えられます。今後とも弊社製品をご愛用くださいますようお願い致します。
お忙しい中、大変詳細な報告書を作成いただき感謝申し上げます。
こちらの使用方法の誤りにより、起こるべくして発生した現象ということで以後注意したいと思います。
ということで早速スペアローターに交換。
ボビンのネジはインチネジ。
キャップボルトが3/16"、ナットは5/16"でネジロック塗布済み。
固定箇所が多くて結構大変でした。(締付トルク未確認に付き2kgで組み付け)
今後は過保護に使おうwww
ローター品番
左:362.32.0051.27(87)
右:362.32.0051.28(88)